ハクガン

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2015年11月12日(以下、日付の書いていない画像はすべて同日撮影) 幼羽→第一回冬羽
右から順にA個体、B個体、C個体。


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A個体。幼羽が多く残っているためBおよびC個体との識別は容易。


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上がB個体、下がC個体。

 少なくとも右向きなら個体識別が可能(左半身での識別点については検討しきれていないのでひとまず割愛)。識別点として最も分かりやすいのは最内側大雨覆。C個体には外弁に、三角形の切れ込み状の欠損がある。
 なお、B個体の新羽の肩羽のうち大きい一枚には先端に四角い欠損が見られ、当初はここを個体識別の手掛かりと考えていた。この後、11月20日に再度観察した際にはその羽の前方の新羽の先端にも細い四角形の欠損が見られ、一層識別点として使えると一時は考えた。しかし、その頃にはC個体にも新羽の肩羽の先端に四角い欠損ができていたので、この識別点は紛らわしくなった。今画像を見返すと12日の段階からCにも四角い欠損が見えるような…
 また、多くの画像でB個体の方が三列風切の軸斑がC個体より濃く黒っぽく見えていると気が付いたが、羽の重なり方による影のつき方の違いでこう見えているだけの可能性があるのでここを識別点とするのは避けようと思い直した。


 ちなみにこんな違いもある。

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上がB個体の尾羽(左から順にA、B、C個体)。下がC個体の尾羽(11月20日撮影)

 AおよびB個体の尾羽には灰褐色のぼんやりした軸斑があるが、C個体にはそれがほぼなく尾羽は一様に白く見える。


 さて、個体識別の次は気になった個体差について。

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 A個体の肩羽と雨覆。灰褐色から暗灰色の軸斑に白い羽縁。他の画像とアングルを揃えたかったが、残念ながらこのカットしか撮影していなかった。

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 こちらはB個体。肩羽の幼羽はA個体に似るが、特に前方では摩耗のためか羽縁が不明瞭。そして、雨覆は軸斑部分をよく見ると細かく密なまだら模様がある。

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 C個体。B個体よりさらにまだら模様の傾向が強く、全体がザラザラした印象。雨覆のみならず肩羽の幼羽にもこのまだら模様が強く出る。B個体の三列とは重なり方の問題から比較しにくいが、C個体では三列にもまだら模様が出る。

 このように、A個体<B個体<C個体、の順で軸斑がぼやけ細かいまだら模様が出る。現場で初めてこの模様に気が付いた時、カモ類の雄生殖羽に見られるさざ波状のごく細かい横斑、通称「波状斑」を彷彿とさせるこの模様の美しさに衝撃を覚えた。
 
 非常に美しいのでC個体の画像をもう一枚貼ります。
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 さて、次はこのまだら模様と各個体の換羽の経過について。次回に続きます。

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